叩いても、もんでも良くならない肩こり。
実は肩周りの筋肉が大げさに言うと一枚板のように固まっていて、首から背中が柔軟に動きづらくなっているために筋肉の凝りが慢性化していることがあります。
慢性化して、動かすのが難しくなると、寝がえりが打ちにくくなったり、眠りの質にも影響することがあります。
そこで、寝る前に習慣にしてもらいたい「おウチで肩の前側ほぐし」をご紹介します。
「夕方になると首から肩が重くて、身が入らなくなる」
「眠っていても、首から肩が重くて目が覚めてしまう」」
そんなあなたは、首痛や頭痛を起こす前に、今夜から始めて見てください。
1 肩コリ解消、実は巻き肩なおしのアプローチ
肩こりの人の特徴は、前かがみ姿勢が癖になり、背筋を伸ばした時に肩の位置が元に戻らないこと。
だらんと両腕を体の側面に垂らしたとき、親指が身体に付き、小指が外側にある~正面から見た時に手の甲が見える状態~なら、肩が本来あるところよりも前に出ている「巻き肩」です。
胸をはって肩を広げないと内側に巻いている人は首も一緒にうつむき気味になり、上胸部が広がりにくい形で、筋肉も固まっていることが多いです。
試しに、誰かに、背中側から、両肩を「軽く」後ろに引いてもらってください。
「イタタタ・・」となるようなら、特に、この腱-筋ストレッチ「おうちで肩の前側ほぐし」がぴったりです。
背中側だけでなく、肩周りをほぐすことで周囲の筋肉全体を緩め、関節の動きをよくするのが、芯から良くするポイントです。
2 やり方 鎖骨を首側から肩にむけてさわっていく
では、さっそくやってみましょう。
鎖骨は、胸の上部で左右一本ずつ横向きにある骨です。
左の鎖骨を、右手で触れましょう。
左腕はおろしたまま。
左鎖骨の上に右親指を置き、、人差し指と中指は鎖骨の下側に置き、軽くつかむように肩に向かってすすみます。
肩関節にあたって行き止まり。
止まったところで、人差し指はそのまま、中指と薬指を肩関節にそって、置きながら、同時に親指を離し、中指と薬指の指先に注意をむけながら、左腕を横に伸ばした状態で肩の高さまでゆっくりあげていきます。
腕を上げるとともに、右手の中指、薬指にふれるように 腱や筋肉が出てきます。
出てきて触れるようになったら、コリコリしたり、押すと痛きもちがいい、「凝っている」ポイントを探します。
みつけたら中指一本に変えてそのポイントを指先で軽く押しながら、腕をゆっくり前後に30度くらいずつ動かします。
左腕を動かす速度は2秒で一往復くらい、ゆっくりです。
息を止めずにゆったりした気持ちで。
次に近くにある別の「固く凝っているところ」を右手の指で探して押し、先ほどと同様、左腕を2秒で一往復、動かしほぐします。
4‐5か所やって左腕の動きが滑らかになったら、今度は右側。
鎖骨が肩関節とぶつかるあたりで、左手の中指、薬指を使って探し、同様に「軽く押しながら腕を30度くらいずつ前後に動かします。
腱や筋肉の硬いところを押すときの強さは指一本で500g。
キッチンスケールがあれば、指一本で500gを押す強さを測ってみましょう。
秤がなければ、頬を指一本で押してみて、確かめます。歯にあたって痛いようのは強すぎです。
頬を押したまま、噛む動作をして、頬の肉を確実に噛んでしまうくらいが目安になります。
前後に動かしたら、今度は手を伸ばしたまま、肩の高さを基準に上下10~15㎝くらい動かします。
ほぐれたら軽く回してみましょう。
3 巻き肩が元の位置にもどる
一日寝る前、起床時ベットにすわって、などリラックスしてゆったりした呼吸でこの「おうちで肩の前側ほぐし」をやってみてください。
力をいれてそらさなくても、自然に巻き肩が元の位置にもどり、解放された肩甲骨の動きも楽になるはず。
肩甲骨の動きが楽になると、周囲の筋肉の血流もよくなり、肩こり癖が和らいでいきます。
4 まとめ
「お家で肩の前側ほぐし」をやって、その日のうちに腕を動かすのが楽になります。
2‐3日続けると、押したときの凝りがとれているのがわかり、1週間すると凝りにくく、やわらかい状態が保たれるようになります。
そのころには、腕をまっすぐ上にすっと軽くあげられるようになり、よい姿勢も取りやすくなっているでしょう。